財務省と内閣府が12日発表した法人企業景気予測調査では、2014年度に稼いだ利益の配分(複数回答)について、大企業全産業で「設備投資」との回答が60.3%となった。前年度(58.9%)に比べ上昇し、7年ぶりにトップになった。今まで1位だった「内部留保」は前年度の60.6%から56.1%に下がり、投資意欲の持ち直しを印象づけた。
この質問は年1回しており「従業員への還元」や「株主への還元」などを含めた10の選択肢から最大3項目を利益の配分先として選んでもらう。大企業の3位の回答は「株主への還元」(55.4%)で順位は前年度と変わらなかった。
大企業を業種別にみると、製造業は設備投資との回答が1位の69.7%だった。前年度も1位は設備投資だったが、回答割合は65.9%にとどまっていた。非製造業は内部留保が依然トップだったが、13年度の67.5%から14年度は62.4%と割合は縮小した。また、中堅企業、中小企業は全産業ベースでいずれも内部留保との回答が1位で、前年度から順位は変わらなかった。
1~3月期の景況感について聞いたところ、大企業全産業の景況判断指数(BSI)は1.9となり、「上昇」の回答が「下降」を3四半期連続で上回った。14年度の設備投資はスマートフォン向け電子部品の生産能力の増強などから、全産業で前年度比5.1%増の見込みだった。