医療事故の再発防止などを目指す「医療事故調査制度」の運用指針案が20日まとまった。死亡事故の院内調査結果を文書で遺族へ渡すことについては、「遺族が希望する方法で説明するよう努める」との表現で病院の努力義務とされ、事故遺族らからは医療界の積極的な対応を求める声が上がった。
厚生労働省の検討会が20日まとめた指針案によると、患者が予期せずに死亡する事故があった場合、基本的に新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」への届け出を義務付ける。医療機関は、院内調査の結果を口頭か文書で遺族に説明する。
検討会の座長を務めた山本和彦・一橋大大学院教授は同日記者会見し、「医療界の自発的な取り組みに信頼を置いた制度」と強調。検討会委員で医療事故遺族の永井裕之さん(74)は「医療機関が公正性をいかに担保するかにかかっている」と述べた。