23日午前の東京外国為替市場で、円相場は反発した。12時時点では1ドル=120円05~07銭近辺と前週末17時時点に比べ75銭の円高・ドル安水準で推移している。米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切ったあとの金融引き締めのペースが緩やかになるとの見方から、円買い・ドル売りが優勢だった前週末のニューヨーク市場の流れを引き継いだ。
もっとも、円の上値は重かった。相場に方向感を与えるような経済指標の発表はなく、持ち高を一方向に傾ける動きはみられず、円買いの勢いは続かなかった。10時前の中値決済にかけて国内輸出企業の円買い・ドル売りがやや優勢だったが「需給の偏りは大きくなかった」(国内銀行)といい、次第に円の上昇は一服した。
「日銀の黒田東彦総裁と安倍晋三首相が昼食を交えて会談する」と一部報道で伝わったが、相場の反応は今のところ特に見られない。
9~12時の円の高値は119円90銭近辺、安値は120円12銭近辺で、値幅は22銭程度にとどまった。
円は対ユーロで反落した。12時時点では1ユーロ=129円50~55銭近辺と同62銭の円安・ユーロ高水準で推移している。対ドルでのユーロ高が円の対ユーロ相場に波及し、円安・ユーロ高が進んだ。
ユーロは対ドルで大幅に反発した。12時時点では1ユーロ=1.0786~89ドル近辺と同0.0117ドルのユーロ高・ドル安水準で推移している。FRBの金融政策姿勢が想定よりも緩和的だとの見方から、対ユーロでもドル売りを誘った前週末の海外市場の流れを引き継いだ。もっとも、東京市場では持ち高調整のユーロ売り・ドル買いが入り、ユーロの上値は重かった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕