「1票の格差」が最大2.13倍だった昨年12月の衆院選は違憲として、弁護士グループが沖縄県の全4選挙区の選挙無効(やり直し)を求めた訴訟の判決で、福岡高裁那覇支部(須田啓之裁判長)は26日、「違憲状態」と判断し、請求を棄却した。
二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした計17件の訴訟の一つ。25日までの判決は「違憲状態」7件、「合憲」3件、「違憲」1件と判断が分かれている。判決は4月中に出そろい、年内にも最高裁大法廷が統一判断を示す見通し。
衆院選の格差訴訟で最高裁は、最大格差が2.30倍だった2009年選挙を「違憲状態」と判断。47都道府県に1議席ずつ無条件で配分する「1人別枠方式」が格差拡大の要因として見直しを求めた。最高裁は同2.43倍だった12年選挙も「違憲状態」とした。
国会は定数の「0増5減」を実施し、昨年衆院選の格差はやや縮小。1人別枠方式は条項が廃止されたものの、実質的には残った。国会の是正に向けた取り組みの評価が争点となっていた。
高裁那覇支部の訴訟で原告側は、1人別枠方式を残した国会の対応を批判。県選挙管理委員会側は「国会で選挙制度改革に向けた検討が重ねられている」と反論した。
訴状などによると、投票日の有権者数では、議員1人当たりの有権者数が最少の宮城5区と比べ、沖縄県内の選挙区での最大格差は沖縄3区の1.29倍だった。〔共同〕