総務省が27日発表した2月の完全失業率(季節調整値)は3.5%で、前月に比べ0.1ポイント低下した。改善は2カ月ぶりで、QUICKがまとめた市場予想(3.5%)と同じだった。求職の動きが就業に結びついたほか、雇用のミスマッチなどで一時的に就職活動を中断した人が出たことで失業者数が減少し、完全失業率を押し下げた。
一方、就業者数は増加傾向にあり、総務省は雇用情勢は「総じて改善傾向で推移している」と分析している。2月は非正規社員の数が比較可能な2014年1月以降で初めて減少した。総務省は「人手不足感の高まりから正規社員へのシフトが進んでいる」と見ている。
完全失業率を男女別にみると、男性が3.7%、女性は3.2%でともに0.1ポイント低下した。就業者数は6376万人で前月に比べ2万人増えた一方、完全失業者数は230万人で5万人減少した。うち勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は3万人減、「自発的な離職」は2万人減、「新たに求職」している人は3万人減となった。仕事を探していない「非労働力人口」は4467万人と4万人増えた。
非正規社員の数(原数値)は1974万人と前年同月と比べて15万人減少した一方、正規社員は3277万人で58万人増加した。非正規社員の減少は比較可能な14年1月以降で初めて。卸売・小売業や建設業など幅広い業種で減った。定年後に嘱託などで働く高齢者や子育てが一段落した女性がパートで働きに出るケースは増えているが、15~44歳の層でみると昨年8月以降、非正規社員数が減少傾向にある。〔日経QUICKニュース(NQN)〕