【ワシントン=川合智之】オースティン米中央軍司令官は26日の上院軍事委員会で、イラク北部ティクリートを過激派「イスラム国」から奪還する空爆作戦への参加は、イランが手を引くことが条件だったことを明らかにした。イランが支援するシーア派民兵と「調整や協力をするつもりはない」と述べた。
ティクリート奪還は当初、イラク政府がイランと協力して進めたが、米はイランとの連携を拒否した。米軍はイラク政府軍を支援する形で、25日にイスラム国の拠点など17カ所を空爆した。イラン革命防衛隊の軍事顧問は現地を離れたという。
オースティン氏はサウジアラビアなどがイエメンに軍事介入したことについて「湾岸協力会議(GCC)参加国と連携する」と述べ、協力を表明した。紅海につながるイエメン沖のバブルマンデブ海峡の航行を確保することは「我々の核心的利益の一つだ」と指摘した。
シュルツ米大統領副報道官は26日、米軍と情報機関が「サウジの共同作戦拠点を開設した」と記者団に述べた。「GCC参加国の決定を十分に認識し、支援する」と連携を強調した。