【ロンドン=小滝麻理子】5月7日の英総選挙に向けたキャンペーンが今月末から始まるのを目前に、与党・保守党党首のキャメロン首相と、最大野党労働党のミリバンド党首は26日夜、そろってテレビ出演した。支持率が拮抗する中で、それぞれ福祉の拡充や移民政策などをアピールした。
テレビ出演は党首2人が司会者のインタビューを別々に受ける形で行われた。出演直後に英調査会社ICMが出した支持率はキャメロン氏が54%、ミリバンド氏が46%となり、ひとまず現役首相に軍配が上がった形だ。
もっとも、司会者に「先進国なのに(生活困窮者に食品を配給する)フードバンク利用者が急増している」「移民の削減目標を守っていない」などと攻め込まれると、キャメロン氏が言葉に詰まる場面が目立った。当初は2人の直接討論が想定されていたが、キャメロン氏が拒んでインタビューとなった経緯もあり、英国内では逃げ腰との批判も出ている。
英議会は30日に解散し、その後選挙キャンペーンが始まる。二大政党の支持率が低迷する一方で、スコットランド民族党など地方少数政党が躍進。異例の7党首によるテレビ討論が予定されており、選挙戦への影響が注目されている。