文部科学省は27日、「特別な教科」として格上げする小中学校の道徳について新たな学習指導要領を告示した。今夏をメドに、教科書作成の指針となる指導要領の解説と教科書検定基準を示す。
教科書に基づく授業が行われるのは小学校が2018年度、中学校は19年度から。ただ今年4月以降、各校の判断で新指導要領の内容を反映した授業が可能になる。
下村博文文科相は同日の閣議後の記者会見で「子供たちには道徳の授業での議論を通じて、様々な考え方があることを学んでほしい」と話した。
新指導要領は、問題解決型の学習や体験学習を採り入れるよう示した。評価は数値ではなく記述式とし、4月に立ち上げる専門家会議で詳細な方法を決める。
同省が2~3月に実施したパブリックコメント(意見公募)では5993件の意見が寄せられた。「道徳を教科化して人間としての生き方を学ぶことが必要」など賛成の声がある一方、「一定の価値観や規範意識の押しつけにつながることが危惧される」といった反対意見もあった。