文部科学省人事課が昨年、男性外交官(当時)の東京外国語大学特任教授への再就職あっせんに関わっていた疑いがあることがわかった。東京外大は「文科省人事課から紹介された」としている。国家公務員法は、現役職員による職員やOBの再就職あっせんを禁じており、同法違反に当たる可能性もある。
東京外大によると、文科省のスーパーグローバル大学に2014年度に採択されたことをきっかけに、国際交流分野の人材を卒業生や他大学から探していた。2015年夏ごろ文科省人事課に照会したところ、16年1月に同課からこの外交官を紹介され、3月23日に面接して採用を決めた。
この外交官は3月29日付で外務省を退職。3日後の4月1日付で同大特任教授に就いた。外務省ではグアテマラ大使やバチカン大使を歴任し、大学では留学生向けの不定期の授業などを担当しているという。東京外大の担当者は21日、「広く人材を探している中でたまたま情報を入手した。再就職のあっせんを受けたとは認識しておらず、大学としては問題ないと考えている」と説明している。岸田文雄外相も同日、「まずは事実確認に全力で取り組むよう指示を出した」と述べ、文科省再就職等問題調査班は「今後、調査を進める中で出てくるかもしれない」としている。