文部科学省の組織的な「天下り」あっせん問題で、同省人事課OBの嶋貫和男氏を仲介役とする仕組みについて、人事課が後任への引き継ぎ文書を作成していたことがわかった。人事課は、天下りのあっせんに使われることを明確に認識しながら嶋貫氏に情報提供を繰り返していたとみられ、職員が直接あっせんに関わることを禁じた国家公務員法に事実上、違反していた疑いが強い。
天下り28件中、違法行為複数 文科省が直接あっせんも
文科省はこれまで、人事課職員のメールなどを調査してきた。関係者によると、この調査の過程で嶋貫氏を仲介役とする仕組みの引き継ぎ文書が見つかったという。嶋貫氏が文科省を退職し、あっせんに関わるようになった2009年ごろに作成されたとみられ、後任に引き継がれてきた可能性がある。人事課が事実上の業務として天下りのあっせんをしていた疑いが強まった。
また、内閣府の再就職等監視委員会が国家公務員法違反の「疑いがある」とした28件中、文科省が20件程度を違法認定する可能性があることもわかった。松野博一文科相も20日の衆院予算委員会で、28件の中に違法な例があると認めた。文科省は21日に天下りに関する中間報告を公表する。
監視委は、文科省の現職職員が…