27日午後3時すぎ、北海道函館市の住吉漁港沖約1.5キロの津軽海峡で、熊本県上天草市の海運会社「パールライン」の作業船、第18明祐(19トン)が転覆しているのが見つかった。乗員は男性4人とみられ、数人が船内に閉じ込められている可能性がある。船の近くで男性が救助されたが、病院で死亡が確認された。
函館海上保安部によると、船底を調べた救助隊員が一時、船内からものをたたくような音を聞いたが、その後は確認できていないという。
荒天のため海保の特殊救難隊や機動救難士が船に接近できなくなり、捜索は難航。巡視船などが明祐の周辺で捜索を続けている。
午後4時半ごろには明祐の近くで巡視艇が男性1人を発見し、約1時間半後にヘリがつり上げて救助した。函館海保が死亡した男性の身元の確認を急いでいる。
明祐は船舶部品を積んだ台船をえい航、函館港から宮城県・石巻港に向かっていた。最終目的地は横浜港だったという。
パールライン関係者は27日「海保から連絡が入ったが詳細が分からず、数人を現地に向かわせている」と述べた。
函館海保によると、明祐が転覆しているのが見つかった当時の現場海域の天候は曇り。南西の風16メートルで、波の高さは約3メートルだった。函館地方気象台によると、現場海域には26日午後1時ごろから強風注意報が出ていた。〔共同〕