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JR西3社長、控訴審判決も無罪 尼崎脱線で予見可能性認めず

兵庫県尼崎市で2005年4月、乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴され、一審で無罪となったJR西日本の歴代3社長の控訴審判決で、大阪高裁(横田信之裁判長)は27日、3人に改めて無罪を言い渡した。「事故の具体的な予見可能性は認められない」と判断し、検察官役の指定弁護士側の控訴を棄却した。


強制起訴されたのは井手正敬元相談役(79)、南谷昌二郎元会長(73)、垣内剛元顧問(70)。3人は事故現場を急カーブにした1996年から事故発生まで順に社長を務めた。一審の求刑は禁錮3年だった。


指定弁護士側は上告について「慎重に考えながら決めたい」とした。


事故は05年4月25日、尼崎市の福知山線の急カーブに快速電車が進入し曲がりきれずに脱線、マンションに衝突して多数が死傷した。


公判で指定弁護士側は「経営幹部として情報を収集していれば(事故を)予測できた」と主張。3社長は「現場のカーブで脱線事故が起きることは予測できなかった」などと主張していた。


判決は、運転士が制限速度を45キロ上回る時速約115キロで現場カーブに進入した点について「このような異常な運転に及ぶことを予見することは相当困難」と指摘。「多数存在する同様のカーブでも、数多くの列車が基本的に安全を維持しながら走行していた」と認め、現場カーブに自動列車停止装置(ATS)を整備する注意義務はなかったと判断した。


3社長については、神戸地検は嫌疑不十分で不起訴としたが、遺族の申し立てを受けた検察審査会の議決に基づき、強制起訴された。


検察は、現場を急カーブにした当時の鉄道本部長で安全対策の責任者だった山崎正夫元社長(71)を起訴したが、一審・神戸地裁が無罪とし、確定している。


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