千葉県がんセンターの消化器外科で2008~14年に腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた複数の患者が死亡した問題で、県の第三者委員会は30日、最終報告書案を発表した。3例は手術方法の選択を疑問視している。
委員会が調査を依頼した日本外科学会の調査書は、11例中10例で手術をするかの判断や術中の対応などに問題があったとしている。
調査対象の手術は11例で、50~80代の男女11人が手術当日から約9カ月後の間に死亡した。50代の男性医師がうち8例を担当し、残りは3人の医師が1例ずつ担当した。
報告書案では、13年1月に胆管がんの手術を受け3カ月後に死亡した男性(当時74)について「難度の高い術式を腹腔鏡で行った判断に問題」と指摘。他2例でも「腹腔鏡で手術をするかは慎重に検討すべきだった」などとした。
昨年6月に医師や弁護士らによる第三者委員会が発足し、日本外科学会にも協力を依頼して議論を重ねた。関係者によると、報告書案は再発防止策の検討が不十分だったセンターの管理体制を厳しく指摘する内容になる見込み。〔共同〕