菅義偉官房長官は4日、沖縄県を訪れ、米軍キャンプ瑞慶覧にある西普天間住宅地区(宜野湾市)の返還式典に出席した。米軍普天間基地(同)の名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志知事も同席した。菅長官はあいさつで「決して忘れてはいけないのは一日も早く普天間の危険を除去することだ」と述べ、辺野古移設に理解を求めた。
米軍から返還された西普天間住宅地区の式典に参加した菅官房長官(左)と沖縄県の翁長雄志知事(4日午後、沖縄県宜野湾市)=共同
西普天間住宅地区など嘉手納基地以南の区域・施設の返還は2013年の日米合意に基づく。菅長官はこの合意を安倍政権の成果として強調したうえで「沖縄の負担軽減策について、できることはすべてやる。目に見える形でひとつひとつ実現していく」と語った。西普天間地区の跡地は国際医療拠点として活用する方向で、菅長官は改めて政府の支援を約束した。
菅、翁長両氏が対面するのは、昨年12月に翁長氏が知事に就任して以来初めて。両氏は5日に那覇市で会談する予定で、この日はあいさつを交わす程度だった。
翁長氏は式典後、普天間基地について「銃剣とブルドーザーで強制接収された場所だ。ここを原点だと思えば(菅長官と)いろいろ話ができるのではないか」と記者団に力説した。