北海道旅客鉄道(JR北海道)が運行する特急列車が青函トンネル内で発煙し、乗客の避難に約6時間かかった3日の事故を受け、同社と東日本旅客鉄道(JR東日本)が共同で乗客の避難誘導方法をまとめる見通しとなった。2016年3月開業の北海道新幹線は貨物列車を中心に在来線と共用で青函トンネルを走行する。万が一に備え、開業に向け2社が協力して安全対策を進める。
JR東日本の冨田哲郎社長は7日、東京で開いた定例記者会見で「(北海道新幹線の)客のかなりは私どものエリアから行く。避難の仕方や誘導のあり方を両社で検討して万全の体制で対応できるよう準備したい」と話した。これまでも新幹線開業に向け、人材育成でJR北海道を支援するなど協力を深めてきた。
太田昭宏国土交通相も7日の閣議後の記者会見で事故について「開業までの1年間に避難誘導も含めた運転取り扱いの規定を定めることになる。今回の事案を含めて万全な体制をとるよう指示したい」と述べ、JR北海道に対し安全対策の徹底を求めた。