日産自動車は8日、アルゼンチンにピックアップトラックをつくる生産子会社を設立すると発表した。資本提携先の仏ルノーの工場敷地内に約720億円を投じて専用の新ラインを設ける。生産能力は年7万台を見込む。日産のほか、提携しているルノーと独ダイムラー向けのピックアップトラックも生産する。2018年までに稼働を始める計画だ。
日産・ルノー連合はダイムラー向けにピックアップトラックの生産を始めることを決めたことに伴い、ライン新設を決定した。まず18年までに日産の新型ピックアップ「NP300フロンティア」を生産。その後、同車種と車台などを共有したトラックを順次ルノーとダイムラー向けに生産する。
アルゼンチンでは15年半ばに新車市場の規模が100万台にのぼるとみられている。日産は新興国で需要の多いピックアップトラックの生産を現地化することで南米地域でのシェア拡大を目指す。また、工場をルノー、ダイムラーと実質共有することで中長期での稼働安定を狙う。
日産は南米でメキシコとブラジルに自動車生産の工場を持ち、中南米38カ国で事業を展開している。新たにアルゼンチンに生産拠点を構えることで新規に1000人の直接雇用を生むことができるとしている。