ゼンショーホールディングスは8日、牛丼店「すき家」全店での深夜営業再開が、9月末にずれ込むとの見通しを明らかにした。これまでは6月末としていたが、アルバイトなどの採用が想定よりも遅れている。深夜の1人勤務体制解消を優先するため、人員が確保できない店については再開がさらに遅れる可能性もある。
ゼンショーの牛丼店「すき家」(都内の店舗)
ゼンショーHD傘下で牛丼店を運営するすき家本部の興津龍太郎社長が8日の記者会見で明らかにした。興津社長は「春は学生のアルバイトなどが採用しやすい時期なので6月末までに全店再開できるだろうと思ったが難しい」と述べ、さらに3カ月ほどの期間が必要との見方を示した。
同社は昨年10月に深夜に複数の従業員を確保できない1254店を深夜休業した。その後、アルバイトなどを増やして順次、営業を再開してきたが3月末時点で616店舗が深夜営業を停止したままだ。営業再開の遅れが業績の足を引っ張る可能性がある。
ゼンショーHDは同日外部の有識者で構成する「職場環境改善促進委員会」からの報告書を公表した。報告書は勤務時間管理の強化や深夜1人勤務体制の解消などに一定の評価をした半面、残業時間削減などは改善の余地があるとした。