【NQNニューヨーク=川内資子】8日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅ながら3営業日ぶりに反発し、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=120円10~20銭で取引を終えた。日銀による金融政策の現状維持の決定を手掛かりとした円買いが優勢だった。ただ、3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が利上げをやや意識させる中身だとして、円は午後に伸び悩んだ。
アジア、欧州市場で円買い・ドル売りが優勢だった流れを引き継ぎ、円は高く始まった。日銀が追加の金融緩和に踏み切るとみていた一部の市場参加者の一部による円の買い戻しが入った。
米連邦準備理事会(FRB)が午後に公表した前回のFOMC議事要旨では、複数の委員が「6月に利上げ開始の環境が整う」などとみていたことが明らかになった。低調な3月の雇用統計を受けて委員の見解がその後変わった可能性はあるものの、議事要旨は想定より利上げに前向きな内容と受け止められ、ドル買いが入った。
円の高値は119円65銭、安値は120円31銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前日比55銭円高・ユーロ安の1ユーロ=129円45~55銭で取引を終えた。ユーロが対ドルで下落したのにつれ、円買い・ユーロ売りが優勢となった。
ユーロはドルに対して3日続落し、前日比0.0035ドル安い1ユーロ=1.0775~85ドルだった。欧米の金融政策の方向感の違いを背景としたユーロ売り・ドル買いが入った。FOMC議事要旨の公表後にドル買いが膨らんだ。
ユーロの安値は1.0763ドル、高値は1.0878ドルだった。
英ポンドは対ドルで上昇し、前日夕の1ポンド=1.48ドル台前半から1.48ドル台後半に水準を切り上げた。英蘭の石油・ガス大手ロイヤル・ダッチ・シェルが英同業大手BGグループを470億ポンドで買収すると発表。英国企業にまつわる大型買収がこの先も続き、ポンド需要が増すのではとの観測からポンド買いが優勢となった。