【パリ=竹内康雄】フランスのオランド大統領とインドのモディ首相は10日、仏大統領府で会談した。インドが仏ダッソー・アビアシオン社の戦闘機「ラファール」36機を購入することで合意。最新鋭の原子力発電所のインドでの建設に向け、技術協力を進めることでも一致した。
モディ首相はラファールの購入について「事務レベルで条件などの詳細を詰める」と述べた。AFP通信によると、契約規模は40億ユーロ(約5100億円)にのぼる。オランド大統領は最終的な合意に向け、近くルドリアン国防相をインドに派遣すると明らかにした。ダッソーにとってラファールの国外輸出は2月のエジプトに次いで2例目となる。
インドは2012年1月にラファール126機を購入すると発表したが、金額や技術移転などの条件を巡り交渉が長引いていた。今回購入を発表した36機はフランスで製造される一方、残りの機体についてはインドでの生産を含め、交渉を進めるとみられる。インドは自国の戦闘機が老朽化しており、パキスタンや中国に対抗する目的から、早期の引き渡しを求めた。
原子力分野では、仏原子力大手アレバがインド原子力発電公社と最新鋭の欧州加圧水型炉(EPR)の建設に向けた技術協力を進めることを確認した。仏印両政府は10年12月にインド西部にEPR2基を建設することで合意している。