【パナマ市=吉野直也】米州首脳会議に出席するために中米パナマを訪れているオバマ米大統領とキューバのカストロ国家評議会議長が10日、会議開幕前に会場で対面し、笑顔で挨拶しながら握手を交わした。両者による首脳会談が開かれる見通しで、ローズ米大統領副補佐官は同日の記者会見で「11日に会う機会があるだろう」と語った。
10日、パナマ市で、オバマ米大統領(左)と握手を交わすキューバのラウル・カストロ国家評議会議長(右から2人目)=AFP時事
1959年のキューバ革命以来、敵対し、61年に国交を断絶した両国の首脳が会談するのは半世紀以上ぶりとなる。トップ会談により、国交正常化交渉が大きく動き出す可能性が出てきた。
オバマ氏は10日、パナマ市でパナマのバレラ大統領と会談した。バレラ氏は会談後、記者団に米キューバの国交正常化交渉について「米側の対キューバの新しい政策は極めて重要になる」と述べ期待を示した。同時に「オバマ氏の(中南米出身者を中核とする)ヒスパニック系への支援は在任中の政治的な遺産になるだろう」と指摘した。
オバマ氏は会談に先立ちパナマ運河を初めて視察した。