自民党は17日の情報通信戦略調査会(川崎二郎会長)で、NHKとテレビ朝日の幹部から番組内容について聴取した。来週以降も引き続き議論する方針。政権与党が個別の番組内容を聴取することにはメディア監視の強化につながる恐れもあり、与野党双方から懸念の声が相次いだ。
NHKは「クローズアップ現代」での「やらせ」が指摘されていた。テレビ朝日は「報道ステーション」でコメンテーターの古賀茂明氏が番組降板の背景に圧力があったと政権幹部を批判した。
調査会は非公開。川崎氏は記者団に「真実でない放送がされるなら、放送法に基づいてやらせてもらう」と述べた。
自民党によると、NHKの堂元光副会長は「外部有識者も含めて検証し、放送倫理・番組向上機構(BPO)に報告したい」と説明した。テレビ朝日の福田俊男専務は「先月30日に(政権批判に反論する)官房長官の記者会見を放送し、バランスをとった」と述べた。
民主党の岡田克也代表は「報道の自由を圧迫することにつながってはいけない」と批判。維新の党の柿沢未途政調会長は「呼び出して問い詰める場を設定するのは現場の萎縮をもたらす」と指摘した。公明党の井上義久幹事長は「報道への介入と受け止められないよう慎重な対応が必要。自民党として説明責任を果たした方がいい」と語った。