山口県下関市立近代先人顕彰館(愛称・田中絹代ぶんか館)は23日、同市出身の直木賞作家で22日に死去した船戸与一さんの追悼展を始めた。直木賞受賞作の「虹の谷の五月」を掲載した文芸誌「小説すばる」のほか文学賞を受賞した「山猫の夏」「砂のクロニクル」などの著作を解説付きで展示している。
船戸さんは1944年に下関市で生まれ、県立下関西高校を卒業して東京の大学に進んだ。追悼展では所蔵する約40作品を展示。米国のミステリー作家、ダシール・ハメットの小説「闇の中から来た女」の船戸さんによる翻訳本もある。
同館の吉田房世学芸員は「下関に偉大な冒険小説を書いた人がいたことを知ってほしい」と話す。観覧無料で5月6日まで(4月27日は休み)。