【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムが23日発表した2015年1~3月期決算は、最終損益が5700万ドル(約68億円)の赤字(前年同期は1億800万ドルの黒字)となった。赤字は2四半期ぶり。積極的な先行投資に加え、ドル高の影響で海外収益が目減りしたのが響いた。売上高は前年同期比15%増の227億1700万ドルとなった。
今回の決算で初めてクラウドサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」の業績を公表した。利益は前年同期比8%増の2億6500万ドル、売上高は49%増の15億7千万ドル。収益性が市場の一般的な想定よりも高いことが分かった。同分野でアマゾンは市場シェア約3割を握る最大手。ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は「AWSは(売上高で)年間50億ドル規模の事業で、急成長が続いている」との強気のコメントを出した。
ネット通販、コンテンツ販売に次ぐ新たな事業の柱が順調に成長していることに反応し、同日の米株式市場の時間外取引でアマゾンの株価は同日終値から一時7%上がった。実質的な1株利益は0.12ドルの赤字(前年同期は0.23ドルの黒字)だったが、市場の予想は上回った。