各地の寺社で油のような液体がまかれているのが見つかった事件で、被害のあった世界遺産・東寺(京都市南区)の防犯カメラに、千葉県や奈良県で確認された人物に似た不審な男が映っていたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、男は中年とみられ、中肉中背、白っぽい上着を着て肩からカメラを下げ、手ぶらだった。3月26日夕、国宝の御影堂や金堂などの低い位置付近でしゃがみこむなどの動きが約40分間映っていたという。京都府警は服の内側に油を入れる容器などを隠し持っていた可能性もあるとみている。
東寺では翌27日以降、御影堂や重要文化財の灌頂(かんじょう)院東門などで最初の被害を確認。4月9日以降も金堂や重要文化財の講堂などで新たな被害が見つかっていた。
府警は文化財保護法違反容疑などで捜査。千葉と奈良の被害との関連を調べるとともに男の特定を急ぐ。〔共同〕