「1票の格差」が最大2.13倍だった昨年12月の衆院選は法の下の平等に反し違憲だとして、弁護士グループが岡山県内5選挙区の選挙の無効(やり直し)を求めた訴訟の判決で、広島高裁岡山支部(片野悟好裁判長)は28日、「違憲状態」と判断した。無効請求は棄却した。
最高裁は衆院選の1票の格差訴訟で、2009年選挙(2.30倍)を違憲状態と判断。前回12年選挙(2.43倍)も違憲状態とした。国会は定数の「0増5減」を実施、昨年の衆院選の格差はわずかに縮小した。
片野裁判長は「選挙の区割りは、憲法の投票価値の平等要求に反する状態だった」と指摘。しかし、是正実現に向けた国会の取り組みが最高裁判決を踏まえた立法府の裁量権の行使として相当でなかったとはいえないと判断した。
衆院選、参院選の1票の格差訴訟の無効判決は過去に3件あり、2件は片野裁判長だった。〔共同〕