【ニューヨーク=共同】核兵器のない世界を目指す非政府組織(NGO)平和首長会議は27日、米ニューヨークで広島と長崎の被爆者や学生、市民と集会を開き、同日始まった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終合意文書に世界の指導者の被爆地訪問を盛り込むよう求めた「ヒロシマ・ナガサキアピール」を採択した。
核軍縮交渉でも核兵器の非人道性の視点を持ち、全てのNPT締約国が当事者として核兵器禁止条約に向けて交渉を開始することも要請。各国の政府代表に渡す予定だ。
また、平和首長会議として、会長を務める松井一実広島市長が禁止条約の実現に向けた具体的な交渉開始のリーダーシップを求める潘基文国連事務総長宛ての要請書を代理人に手渡した。
集会では、広島で被爆した中村澄子さん(81)が「69年過ぎても、目を閉じるとあの頃の悲惨な出来事がまぶたに浮かんでくる」と発言。長崎の被爆者、田中重光さん(74)は核兵器を「非人道的な悪魔の兵器」と非難し、廃絶に向けた前進をNPT会議に期待した。
広島女学院高校の生徒4人と長崎大の男子学生2人も、地元やニューヨーク滞在中に取り組む平和活動について、プレゼンテーションした。