東京都は28日、2016年11月に江東区豊洲に移転・開業する中央卸売市場の場外観光施設の開発事業から、すし店「すしざんまい」経営の喜代村(中央区)が撤退すると発表した。都は中央区築地から卸売市場を移転するのと同じ時期に豊洲でも場外市場を造り、観光客を引き付ける計画だった。場外市場の開業は1~2年遅れる公算が大きい。
喜代村が同日、場外市場の開発から身を引く考えを都に伝えた。都は場外市場の規模を当初計画より縮小することも検討し、計画を練り直す。そのうえで開発を主導する事業者を再度公募する。
築地市場の隣接地には飲食店や食品店が集積する築地場外市場があり、年間900万人程度の観光客が訪れている。卸売市場が豊洲に移転した後も、築地の場外市場は残る。
都は14年2月、喜代村と大和ハウス工業のグループが開発を主導する予定と発表したが、今年2月に大和ハウスが辞退したことが明らかになった。喜代村とは開発計画の条件で折り合わなかったようだ。