【ワシントン=永沢毅】訪米中の安倍晋三首相は29日午後(日本時間30日未明)、米議会での演説後、マコネル上院院内総務(共和党)らと懇談し「歴史と伝統ある米議会で、日本の首相として史上初めて上下両院合同会議で演説する機会をいただき光栄だ。日米同盟の重要性を確認できたのは、間違いなく今回の訪米のハイライトになった」と謝意を伝えた。
ワシントンの商工会議所で講演する安倍首相(29日)=AP
首相はその後、民間団体主催の安全保障シンポジウムで講演し「上下両院合同会議で日本の首相として初めて演説する栄誉に浴した」と述べ、演説は満足のいく出来だったとの認識を示した。
議会演説の際、聴衆らが立ち上がって拍手を送る場面が10回以上あり、終了後は米議員から相次いで握手を求められた。首相は約5時間後のシンポジウムでも高揚感を漂わせ、議会演説について「申し上げたことのエッセンスは、強い日本は米国の利益であり、強い日米同盟は地域と世界の利益であるとの点に尽きる」と説明した。
シンポジウムでは、自衛隊と米軍の協力を拡大する新しい日米防衛協力の指針(ガイドライン)を「歴史的な合意だ」と評価し「日米が力をあわせることでアジア太平洋、インド洋にかけての地域で平和と安定を確かなものにする」と力説。新指針の法的な裏付けとなる安全保障法制の関連法案を夏までに成立させたいと強調した。