【ミラノ=原克彦】スイス国立銀行(中央銀行)が30日発表した1~3月期決算は最終損益が300億スイスフラン(約3兆8100億円)の赤字となった。前年同期は43億スイスフランの黒字だった。1月にスイスフランが主要通貨に対して急上昇し、外貨資産の価値が大幅に減少したのが響いた。金価格の下落も赤字拡大につながった。
銀行がスイス中銀に預けたお金に手数料を課すマイナス金利では、2億3580万スイスフランの利益が出た。マイナス金利は1月22日に始めた。
スイス中銀は1月15日に対ユーロで設定していたスイスフランの上限を撤廃した。それまでに外国為替市場で実施した巨額のスイスフラン売り介入で外貨資産が膨らんでおり、損益が為替レートの変動に影響されやすくなっている。