気象庁は5日、箱根山(神奈川県箱根町)で早朝から火山性地震が急増し、午後3時までに98回を観測したと発表した。このうち午前6時台に観測した2回については、体に感じる震度1の地震で、箱根山付近を震源としていた。また午後9時すぎにも震度1を観測した。
気象庁は、箱根山の火山活動がやや高まった状態で推移していると分析。大涌谷付近で小規模な蒸気の噴出が突発的に起きる恐れがあるとして、立ち入りが禁止された地域に近づかないように呼び掛けている。
噴火の恐れは低いとみており、5段階ある噴火警戒レベルは1(平常)を維持するが、気象庁は「マグニチュード2以上の地震が1日10回程度を超えれば引き上げの基準を満たす」とした。
4月26日から増加傾向になった箱根山の火山性地震は、5月1日に2回へ減少。その後、2日に37回、3日に36回、4日に34回と推移したが、5日は午前5時以降から急増し、午後3時までに98回となった。
箱根山の火山性地震は2001年に1日で111回、13年にも72回を観測したことがある。体に感じる震度1以上の地震は11年3月以来。
3日から蒸気噴出が確認されている大涌谷付近では、5日も気象庁の現地調査で勢いよく噴出しているのが確認された。地下の浅い部分で熱水の活動が不安定な状態が継続しているとみられる。地震に関連するとみられるわずかな地殻の変動も続いている。火山性微動は観測されていない。
箱根町は4日から、大涌谷付近の遊歩道やハイキングコースへの立ち入りを規制している。〔共同〕