【NQNニューヨーク=古江敦子】6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比40銭円高・ドル安の1ドル=119円40~50銭で取引を終えた。雇用関連など米経済指標が低調な内容となり、米景気の先行き不透明感を背景に円買い・ドル売りが続いた。
米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した4月の全米雇用リポートで民間雇用の増加幅は16万9000人と市場予想の20万5000人程度を下回った。2015年1~3月期の米労働生産性指数(速報値)は前期から低下した。米景気の回復ペースが鈍っているとの見方が広がり、円は一時119円21銭まで買われた。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が講演し、講演後の質疑応答で米株式相場に触れ「とても割高」と指摘した。米株式相場が大きく下げ、円買いを促した。アトランタ連銀のロックハート総裁が、年初からの米景気減速は一時的なものと述べたと伝わったが、新味に乏しい内容との受け止めから為替相場の反応は限られた。
円の安値は朝方に付けた119円85銭だった。
円は対ユーロで大幅に続落し、前日比1円50銭円安・ユーロ高の1ユーロ=135円50~60銭で取引を終えた。一時は135円69銭と、2月23日以来およそ2カ月ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。ドルに対するユーロ上昇の勢いが強く、円に対してもユーロ買いが優勢になった。
ユーロは対ドルで大幅に続伸し、前日比0.0165ドル高い1ユーロ=1.1345~55ドルで終えた。低調な米経済指標を受けて米景気の回復の鈍さが意識され、ユーロ買い・ドル売りが優勢になった。一時は1.1371ドルと、2月26日以来ほぼ2カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。
欧州主要国の長期金利の上昇を背景に、米欧金利差の縮小を見込んだユーロ買い・ドル売りも続いた。ギリシャが国際通貨基金(IMF)に対し6日期限の利払いを実行したとの報道もユーロを買いを促したという。
ユーロの安値は1.1222ドルだった。