【ワシントン=川合智之】米議会上院は7日、イラン核協議の最終合意後、対イラン制裁の解除前に議会の承認を義務づける法案を98対1の賛成多数で可決した。下院通過後にオバマ米大統領も同意する見通しで、法案は成立するとみられる。
イランが核協議で合意すれば、引き換えに米欧は経済制裁を解除することになっている。オバマ氏は当初、外交は大統領の専権事項だとして議会に制裁解除の承認権限を与えることに反対していた。その後、法案に米議会超党派が合意したことから、上下両院を通過すれば拒否権を発動せずに法案に署名する方針を表明していた。
コーカー上院外交委員長(共和)は7日の記者会見で「イランの核兵器入手を防ぐ強い呼びかけだ」と強調した。ベイナー下院議長(共和)も7日、「我々の目標はイランの核武装に道を開く悪い合意を止めることだ」と述べた。
米欧など6カ国とイランは4月、イラン核問題の包括解決に向けた枠組みに合意した。6月末の最終合意を目指し、来週にもウィーンで協議を再開する。