【ニューヨーク=西邨紘子】米化学大手デュポンが13日に開いた株主総会で、株主は同社の全取締役12人の留任を承認した。「物言う株主」として知られる著名投資家ネルソン・ペルツ氏率いるトライアン・ファンド・マネジメントが取締役への選任を目指した候補4人はいずれも選ばれず、委任状争奪戦は経営陣の勝利で決着した。
ペルツ氏率いるトライアンは約2年前にデュポン株式を取得。経営陣に事業分割やコスト削減を柱とする経営改革を繰り返し求めたが、デュポン側は応じなかった。これを受けてトライアンは今年1月、4人の取締役の選任を求め、委任状争奪戦に踏み切った。デュポンのエレン・クルマン最高経営責任者(CEO)は、既に事業売却などで十分な対応を進めているとして、株主に経営方針への支持を訴えてきた。