日銀が14日公表した4月のマネーストック(通貨供給量)速報によると、代表的な指標のひとつである「M3(現金、銀行などの預金)」の月中平均残高は前年同月比3.0%増の1219兆2000億円と、過去最高を更新した。前年比の伸び率は前月から横ばいだった。
純輸出の赤字額の縮小で、海外への資金流出が減りプラスに寄与した。一方で社会保障費の支払いが減るなど、政府部門から民間部門への資金の受け渡しが減ったことがマイナス要因だった。
M3の内訳を見ると、現金は前年同月比4.3%増で、伸び率は過去最高となった。預金は同5.0%増と、前月から伸び率が縮小した。
M3からゆうちょ銀行などを除いた「M2」は同3.6%増と、前月比横ばい。M3に国債や投資信託などを加えた「広義流動性」は同3.1%増と、前月(3.3%増)から伸び率を縮小した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕