2003年の鹿児島県議選をめぐる選挙違反冤罪事件(志布志事件)で、無罪が確定した元被告と遺族ら計17人が、国と県に計約2億8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁(吉村真幸裁判長)は15日、「捜査した警察、検察に違法性があった」と認定し、国と県に計約6千万円(元被告1人あたり460万円)の賠償を命じた。
03年4月の県議選に当選した中山信一元県議らは選挙運動の中で現金の授受があったとして公選法違反罪で起訴されたが、07年に12人全員が無罪判決を受け、確定した。訴訟で原告側は「長期間の勾留や違法な取り調べで精神的苦痛を受けた」と主張していた。
志布志事件は、鹿児島県警の捜査員だった元警部補が中山元県議の支援者だったホテル経営川畑幸夫さん(69)を事情聴取した際、家族の名前などが書かれた紙を足で踏ませて自白を迫る「踏み字」が問題となった。元警部補は特別公務員暴行陵虐罪の有罪が確定した。〔共同〕