安倍晋三首相は31日、東日本大震災からの復興状況を視察するため福島県を訪問し「原子力災害に苦しむ福島再生のための政策パッケージを6月中にも閣議決定する」と表明した。「復興の柱になる再生可能エネルギーの最大限の買い取りができるように特別な支援をする」との具体策も挙げた。柳津町で記者団の質問に答えた。
これに先立ち訪問した福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)でも「福島を再生可能エネのフロンティアにしたい」と述べ、福島復興と併せて再生エネを推進する姿勢を強調。「全国で地熱開発のための補助率を引き上げる。地元や自然への配慮を前提として規制緩和を行う」とも語り、国立・国定公園内での規制緩和など全国で地熱発電開発を後押しする考えも打ち出した。
東日本大震災の集中復興期間は2016年3月で終了し、政府は今夏までに次の5年間の復興財源の枠組みを決める。原発事故の被害が大きい福島県は別に復興政策を用意するとしていた。
首相は原発事故で避難した企業への支援策として営業再開などの相談に乗るチームの創設もあきらかにした。行政職員と民間の関係者で構成し、福島県内の約8千事業所を個別訪問して被災企業の自立を後押しする。