内閣府の生命倫理専門調査会は3日の会合で、狙った通りに遺伝子を改変できる「ゲノム編集」と呼ばれる技術を使ってヒトの受精卵の操作が倫理的に認められるかどうか、早急に議論を始めることを決めた。遺伝子治療など医療目的ではガイドラインで禁じられているが、医療目的以外の基礎研究では規制はない。同調査会は厚生労働省などと連携し、早急に勉強会を立ち上げ、方向性を取りまとめる方針だ。
中国の研究チームがゲノム編集でヒトの受精卵を改変したのを受け、米ホワイトハウスは「現時点では越えてはいけない一線だ」との声明を発表。
全米科学アカデミー(NAS)と全米医学アカデミー(NAM)は、ゲノム編集技術のガイドライン策定に乗り出した。今秋にはゲノム編集に関する国際会議を開く予定。
専門調査会はこの国際会議までに日本としてゲノム編集技術に対する方向性を打ち出したい意向。同日の会議で各委員からは「スピード感を持って方向性を取りまとめてほしい」との要望が出た。