【北京=中村亮】日本と中国は6日、経済・財政問題を議論する財務対話を3年2カ月ぶりに中国・北京で開き、共同文書を発表した。文書には「日中が開発金融機関との協調などを通じてアジアのインフラ建設を推進する」と明記。アジアの需要に対応するため、インフラ建設を推進する方針で一致した。
日中財務対話のフォトセッションを終え、握手を交わす中国の楼継偉財政相(中央左)と麻生財務相(6日、北京の釣魚台迎賓館)=共同
日本が最大出資国のアジア開発銀行(ADB)や、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)といった国際金融機関と協調融資などを実施する可能性を示唆した。
財務対話で日本側は今後5年間で1100億ドル(約13兆8000億円)をアジアのインフラ投資に振り向ける計画を説明。中国側はAIIBについて「ドアは開かれている」と日本の将来の参加に期待を示した。
麻生太郎財務相は対話終了後、日本が進める環境などに配慮した質の高いインフラ投資について「中国側は理解した」と発言。AIIBについてADBや世界銀行など「審査能力があるところと組んでやるのが大事」と指摘した。
共同文書では「財務対話を通じて経済・金融分野での日中の戦略的互恵関係をさらに推進できる」と明記。「両国間の金融分野で実務的な協力をさらに深化させる」と表明した。