【エルマウ(ドイツ南部)=御調昌邦】安倍晋三首相は7日の主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、現在交渉中の環太平洋経済連携協定(TPP)について「いかなる国の恣意的な思惑にも左右されないフェアでダイナミックな市場をつくるものだ」と語った。時期については言及しなかったが、早期妥結に意欲を示した。
欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)については、年内の大筋合意を目指す考えを改めて表明した。
交渉が長年にわたって難航している世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)では、作業計画を7月末までに作成し「12月の閣僚会合で具体的な成果を得たい」との認識を示した。各国首脳からもWTO体制の重要性について意見が出た。
議長国ドイツのメルケル首相は、大企業などが構築する国際的なサプライチェーン(供給網)について、劣悪な労働環境を強要することがないように、G7として対応していくと呼びかけた。