【NQNニューヨーク=古江敦子】11日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに反落し、前日比70銭円安・ドル高の1ドル=123円35~45銭で取引を終えた。米小売売上高など堅調な米経済指標が相次いだ。米景気が回復の勢いを増すとの観測から円売り・ドル買いが優勢になった。
アジアと欧州市場で円安・ドル高が進んだ流れを引き継いで始まった。5月の小売売上高は前月比1.2%増え、増加率が前月から拡大した。過去分が上昇修正され、米個人消費が堅調に回復しているとの見方が広がった。4月の米企業在庫は市場予想以上に増えた。米指標の改善を受け、証券会社などが4~6月期の米国内総生産(GDP)の予想を相次いで上方修正したことも、円売り・ドル買いを促した。
ただ、円の下値は堅かった。来週16~17日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)を意識して、持ち高を一方向に大きく傾ける動きは限られたという。
円の安値は124円19銭、高値は123円27銭だった。
円は対ユーロで小反落した。前日比5銭円安・ユーロ高の1ユーロ=138円90~139円00銭で取引を終えた。ドルに対する円の売り圧力が強く、ユーロに対しても円売りが及んだ。
ユーロは対ドルで反落し、前日比0.0065ドル安い1ユーロ=1.1255~65ドルで終えた。ギリシャへの金融支援を巡り、国際通貨基金(IMF)が協議を中断した。ギリシャ債務問題の先行き不透明感が強まり、ユーロ売りが強まった。米経済指標の改善を受けてユーロが売られた面もあった。
ユーロの安値は1.1181ドル、高値は1.1278ドルだった。