【NQNニューヨーク=神能淳志】1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日ぶりに反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は前日比1.55ドル安の1バレル36.79ドルで取引を終えた。世界的な原油の供給過剰への警戒が再燃し、先物には需給の緩みを意識した売りが膨らんだ。
産油国であるサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子は1日、一部通信社とのインタビューで「全ての国が(原油の)増産凍結で合意すれば、我々も(凍結の)用意がある」と語った。経済制裁が解かれたばかりのイランなど一部産油国は増産をやめない意向を示しており、4月の会合で生産調整に向けて動き出すとの期待が後退し、先物の売りを誘った。
米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後に公表した米国での原油掘削に使用する設備(リグ)の稼働数は2週続けて減少した。2009年11月以来の低水準となったが、需給の緩みへの懸念は拭えず先物には売りが続いた。3月の米雇用統計では雇用者数の伸びが市場予想を小幅に上回ったものの、相場の反応は限られた。
ガソリンとヒーティングオイルは下落した。
ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である6月物は前日比12.1ドル安の1トロイオンス1223.5ドルで終えた。3月の米雇用統計で順調な雇用者数の伸びが続いたほか、米製造業の景況感も改善。米景気は回復基調にあり、米連邦準備理事会(FRB)も利上げに動きやすくなるとの見方が金利の付かない金の先物の売りにつながった。
銀とプラチナも反落した。