【NQNニューヨーク=横内理恵】1日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比90銭円高・ドル安の1ドル=111円60~70銭で取引を終えた。3月の米雇用統計や米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数が改善したが、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの見方を変える内容ではなかったとして次第に円買い・ドル売りが優勢になった。
雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比21万5000人増と市場予想以上に増加し、賃金なども上昇した。ISM指数は51.8と市場予想を上回り、経済活動の拡大・縮小の境目とみなされる50を上回った。米景気が安定的な成長を続けていることを示したとして指標発表後には円が売られた。
売りが一服すると円は上げに転じた。雇用統計やISM指数は改善したが、FRBの緩和的な金融政策が長期化するとの見方が根強く、対主要通貨でのドル売りが再開した。
原油先物相場の下落を受けて投資家が運用リスクを取りにくくなり、低金利通貨である円が買われた面もあった。
この日の円の高値は111円72銭で3月22日以来の円高・ドル安水準だった。安値は112円46銭だった。
円は対ユーロで7営業日ぶりに反発し、前日比90銭円高・ユーロ安の1ユーロ=127円15~25銭で取引を終えた。対ドルで円が買われたため、対ユーロでも円の買いが目立った。
ユーロは対ドルで5日続伸し、前日比0.0005ドル高い1ユーロ=1.1380~90ドルだった。雇用統計などの指標発表後にユーロ売り・ドル買いが優勢になる場面があったが、金融緩和が長期化するとの見方を手がかりに次第にユーロ売りが優勢になった。一時は1.1438ドルと2015年10月15日以来、約5カ月半ぶりの水準に上昇した。
ユーロの安値は1.1335ドルだった。