クラブなどダンス営業の規制を緩和する改正風俗営業法が17日、参院本会議で可決、成立した。現行法は客に踊りや飲食を提供するクラブの営業を原則午前0時までに制限しているが、改正法は店内が一定以上の明るさなら風俗営業から外し、24時間営業できるようにする。周辺住民の生活環境を守るため、客のマナーや騒音対策などが課題となりそうだ。
1948年施行の風営法は、ダンス営業を厳しく規制してきた。改正法は近く公布され、1年以内に施行される。
改正法は、飲食を提供し、客が音楽に合わせて踊るクラブについて、店内の照明が休憩時間中の映画館と同じ程度の10ルクス超の明るさであれば、通常の飲食店として24時間営業を認める。
午前0~6時に酒類を出す店は新たに「特定遊興飲食店営業」と分類し、都道府県公安委員会の許可制とする。原則24時間営業が可能になるが、自治体が条例で営業時間や営業地域を制限できることにした。18歳未満は午後10時以降の立ち入りを禁止する。
深夜営業ができるようになることで、騒音など地域住民の生活に影響が出る恐れもある。改正法は、警察署、クラブ事業者、住民らでつくる「風俗環境保全協議会」を設け、地域ごとに問題点の話し合いに努めるよう求めた。
客を接待し飲食させて踊るキャバレーや、店内の明るさが10ルクス以下のクラブは引き続き風俗営業として規制する。
飲食を伴わないダンス教室やダンスホールは、風営法の規制対象から外す。
政府は昨年10月に風営法の改正案を閣議決定したが、衆院解散で廃案となり、今年3月に改めて閣議決定した。