【NQNニューヨーク=川内資子】19日の米株式相場は4日ぶりに反落した。ダウ工業株30種平均は前日比99ドル89セント(0.6%)安の1万8015ドル95セントで終えた。ギリシャの債務問題を巡る警戒感から米株式相場には売りが優勢だった。週末を前に目先の利益確定を目的とした売りも出た。
金融支援の再開を巡り、ギリシャ政府と欧州連合(EU)との交渉は難航している。22日に開く臨時のユーロ圏首脳会議で改めて協議される見通しだが、債務の返済期限を迎える月末までに合意に達するのかは不透明で、投資家の運用リスクを避けて株式を売る動きが広がった。
米国では将来の利上げペースが緩慢になるとの期待が高い。株式相場は連日で上昇していたため、週末とあって利益確定に動く参加者も多かった。ダウ平均は取引終了にかけて下げ幅を広げ、この日の安値圏で終えた。
ナスダック総合株価指数は同15.948ポイント(0.3%)安の5117.001で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10種が下落した。「公益事業」のほか「金融」や「エネルギー」の下げが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約18億4000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約22億9000万株だった。
中国事業の苦戦を理由に2015年12月期通期の業績見通しを引き下げた製菓のハーシーが下落した。四半期決算で売上高が市場予想ほど伸びなかった中古車販売のカーマックスも売られたほか、アップルや交流サイト(SNS)のフェイスブックも下げた。ダウ平均の構成銘柄では、保険のトラベラーズやマイクロソフトなどが安い。
一方で、四半期決算で1株利益が市場予想を上回った住宅建設のKBホームが買われた。物言う株主として知られるジャナ・パートナーズによる株式保有が明らかになった食品のコナグラ・フーズも大幅高だった。