23日のニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均が上昇し、10営業日連続で終値の過去最高値を更新した。トランプ米政権が掲げる大型減税などの経済政策への期待が高まっているため。終値は前日より34・72ドル高い2万0810・32ドル。10営業日連続で最高値を更新するのは、1987年以来、30年ぶりとなる。
トランプ米政権のムニューシン財務長官は23日朝、米経済専門テレビに生出演し、税制改革を実行すると強調した。大型減税などが実現すれば米企業の業績向上につながるという期待が広がり、買い注文が優勢になった。ダウ平均は一時2万0840・70ドルに値上がりし、取引時間中の最高値も更新した。
米主要企業の決算内容や米経済指標が堅調なことに加え、原油の先物相場が上昇したことも株式相場を下支えしている。
一方、米政権の運営をめぐっては混乱も目立つ。「政策の実現前から投資家に期待が膨らんでおり、実現が困難になった場合には市場心理が急激に冷え込むおそれがある」(米投資会社の責任者)との見方も出始めている。
ハイテク株を中心とするナスダック市場の総合指数は、前日より25・12ポイント低い5835・51で取引を終えた。(ニューヨーク=畑中徹)