1日のニューヨーク株式市場は、トランプ米大統領が初の議会演説で大規模なインフラ投資や税制改革を改めて強調したことから、大企業で構成するダウ工業株平均が急上昇した。前日より303・31ドル(1・46%)高い2万1115・55ドルで取引を終え、初めて2万1000ドルを突破し、終値ベースでの過去最高値を更新した。上げ幅は昨年11月8日の米大統領選以降で最大となった。
トランプ大統領は前日の施政方針演説で、大規模な税制改革や1兆ドル(約114兆円)にのぼるインフラ投資を確約した。これらの経済政策が実行に移されると、米景気押し上げにつながるとの期待感が高まり、株を買う動きが広がった。ダウ平均は取引時間中には一時、前日比で350ドル超値上がりした。
市場では「トランプ氏は演説の中で具体的な政策の内容は語らなかったが、冷静に議会に協力を求めたことで安心感につながった」(米投資会社の運用責任者)との指摘が出た。
米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が3月の会合で追加利上げを検討するのではないかとの見方が出て、米金利上昇の恩恵を受ける金融関連の株が買われた。
ハイテク株が中心のナスダック市場の総合指数も大幅に上昇し、前日より78・59ポイント(1・35%)高い5904・03で取引を終了。6営業日ぶりに終値の過去最高値を更新した。(ニューヨーク=畑中徹)