【NQNニューヨーク=横内理恵】19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸した。前日比30銭の円高・ドル安の1ドル=122円60~70銭で取引を終えた。ギリシャの金融支援再開を巡る同国と欧州連合(EU)などとの協議が難航し、不透明感が増している。米債券市場で米国債が買われ、米長期金利が低下したため、日米金利差の縮小を手がかりとした円買い・ドル売りが優勢となった。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの見方が広がっていることも円の買い戻しを誘った。
日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で現行の金融政策を維持することを決めた。日米の景気や金融政策の方向性の違いを背景に、これまで円安・ドル高が進んできたが、市場では「円の先安観がやや後退しているため、利益確定や持ち高調整を目的とした円の買い戻しが入りやすかった」との指摘があった。
この日の円の高値は122円56銭、安値は123円20銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前日比40銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=139円25~35銭で取引を終えた。ギリシャ問題への警戒感からユーロが売られた。
国際通貨基金(IMF)などへの支払期限を迎えるため、ギリシャは月末までにEUなどと融資再開で合意する必要がある。22日には臨時のユーロ圏首脳会合で支援再開が協議される予定だが、合意に至らなかった場合にはギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥り、ユーロ圏からの離脱する可能性も意識されているとの声があった。
ユーロは対ドルで3日ぶりに小反落し、前日比0.0005ドル安い1ユーロ=1.1350~60ドルで終えた。ギリシャ問題への懸念からユーロ売りが優勢だった。ただ、対ドルではユーロの売り持ち高が積み上がっていたといい、週末を前に持ち高を縮小するための買い戻しも広がり、ユーロは下げ渋った。
ユーロの安値は1.1296ドル。高値は1.1366ドルだった。