【ルクセンブルク=共同】欧州中央銀行(ECB)は19日、預金流出が続くギリシャの銀行に対する緊急支援枠を拡大し、859億ユーロ(約12兆円)とすることを決めた。当面の資金繰りを支えるため、従来枠に17億5千万ユーロ上積みする。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が伝えた。
ギリシャ中央銀行は35億ユーロの増額を求めたが、ECBは当面の資金繰りには、その半分でも十分だと判断したという。欧州連合(EU)が22日にギリシャ金融支援を協議するユーロ圏の緊急首脳会議を開くため、ECBはその結果を見極めて今後の対応を決める。
金融支援協議の行方が不透明な状況が続いていることから、ECBはギリシャの銀行に対する低利融資を2月から行っていない。緊急支援枠が同国の銀行にとって事実上の生命線となっており、ECBは断続的に枠を広げてきた。
EUとギリシャの協議が決裂したり、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ったりした場合、ECBがギリシャの銀行支援を打ち切る可能性がある。そうした事態になれば、経営破綻に追い込まれる銀行が相次ぐとみられている。