【フランクフルト=加藤貴行】独ダイムラーは30日、高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」の小型車事業の強化のため、独南部のラシュタット工場へ2020年までに総額10億ユーロ(約1360億円)を投じると発表した。「Aクラス」を中心に高水準の生産が続いているのに対応する。台数が稼げる小型車のコスト競争力を高め、高級車世界首位の独BMWなどを追い上げる。
ダイムラーは同工場でAクラスなどの新モデルを生産し雇用を確保すると同時に、従業員代表との間で生産性を高めるための協力も取り付けた。
労働時間を稼働状況にあわせ柔軟に変えられるようにし、総額で数億ユーロのコスト削減を見込む。あわせて250人を新規に雇う。
独工場はもう1つの小型車の生産拠点であるハンガリー工場に比べて労働コストは高い。ただダイムラーは昨年、別の国内の大型車の主力工場でも働き方の改革とワンセットで長期投資を決めるなど、国内工場の競争力強化に力を入れている。