東海道新幹線の放火事件で、神奈川県警は3日、当時の詳しい状況を調べるため、火災があった新幹線「のぞみ225号」の車両を、事件後から保管していた三島車両所(静岡県長泉町)で現場検証した。
現場検証はJR東海社員の立ち会いの下、捜査員13人が実施。放火された1号車を中心に、車内の損傷状況や遺留品の有無などを調べる。
県警は、焼身自殺した林崎春生容疑者(71)が6月30日午前11時半ごろ、神奈川県小田原市を走行中の新幹線の1号車でリュックサックからポリタンクを取り出し、入っていたガソリンを自分の体にかけて放火したとして、殺人、現住建造物等放火容疑で調べている。
林崎容疑者が事件前日の29日、自宅近くのセルフ式ガソリンスタンドでガソリン約7リットルを購入したことも判明している。
小田原市消防本部によると、1号車は前方の天井パネルが数メートルにわたってはがれ落ち、周囲が真っ黒になるなど激しく焼損した。横浜市青葉区の整体師、桑原佳子さん(52)が巻き添えで死亡し、26人が重軽傷を負った。
事件後、列車は小田原駅で乗客を降ろし、三島車両所へ回送された。〔共同〕